Re:はたらきかたフェス 2021 – 誰かは誰かのロールモデル 〜言わずにおれるか〜

2021年11月22日と23日の2日間に渡って、『はたらきかたフェス 2021 – 誰かは誰かのロールモデル』と銘打ってイベントが開催された。

YouTube の視聴にご参加くださった皆さま、oVice での交流にご参加くださった皆さま、本当に長時間お付き合いいただいてありがとうございました。
懇親会場の oVice でも コスギサヤカさんによる「傾聴コーナー」や WPZoomUP とのコラボレーションの「もくもくスペース」など、ご協力いただいた皆さまも本当にありがとうございました!!

開催内容は YouTube ですべてライブ配信されており、アーカイブが残されているので、ご参加いただけなかった方もご興味があればぜひご覧いただきたい。
ただし、全てをしっかり観ようとすると確実に丸一日以上かかってしまう(特に本編は12時間弱(!)の長丁場だ)ので、長期休みのタイミングにまとめて観たりとか倍速で観たり、興味があるセッションだけかいつまんで観たりしていただくのがいいだろう。

目次

2021/11/22 前夜祭

はたらきかたフェス2021 前夜祭ツイートまとめ

https://togetter.com/li/1806408

2021/11/23 本編

はたらきかたフェス 本祭 つぶやきまとめ

https://togetter.com/li/1807439

この記事では、

  1. 開催の経緯
  2. セッション概要
  3. 補足

としてこの2日間を振り返ろうと思う。

開催の経緯

弊社社長のめがねさんは不定期に「(通称)めがねフェス」という自分主催のイベントを開催していて、だいたいが「自分が話したいこと」「自分が興味あること」「自分が聴きたいこと」をそのときに話をしてほしい・聴きたいと思う沢山の人達に話してもらう、というのがその趣旨だ。

かれこれもう7回くらいの開催回数を数えていて、毎回とても参考になる話が聞けるいいイベントだと思っている。

どうやらめがねさんは「続けていくこと」に意味を見出しているらしく、今回も直前になって「やるよ!」と言い出した。いつものことなので僕ら社員は誰も驚かないのだが(笑
弊社社員はわりとイベントにスタッフ側で参加している人たちが多く、イベント慣れしているおかげでなにも言わなくても必要なものがどんどん用意されていく。仕事がデキる人たちと一緒に仕事しているととてもラクができるのを実感する。準備期間が2週間足らずだったことは今だから言える話だ(笑

今回のイベントには『誰かは誰かのロールモデル』というキャッチフレーズがついている。
今回のイベントサイトから流用すると、

それぞれの人にとって「参考にしたいなー。」と思える人と出会ったり、そのひとのアイディアをかんじていただけたら嬉しいです。

はたらきかたフェス 2021 – 誰かは誰かのロールモデル

となる。
登壇してくださった方の話や、懇親会場として用意した oVice で出会った人の話がなにかしら参加してくださった人の参考になって、「真似してみよう」「試してみよう」とか「これなら自分でもできるかも…!」と感じていただけるようなイベントを目指した、というのが今回の経緯だ。

「めがねさん」というロールモデル

主催のめがねさんとはもう10年くらいの長い付き合いになってきた。いまでは僕の所属する会社の社長なのだが、それよりも「付き合いの長い仲間」という感覚が強い。

めがねさんをよくご存じの方も多いだろうとは思うのだが、そうでない方に「めがねさん」を説明しようとすると大変難しい。
今回のような「(通称)めがねフェス」のみならず、いろいろなイベントを主催したり登壇したりしていることからもわかるように、とにかく「話す」ことについては相当特殊な技能をお持ちだ(笑
もうひとつ、僕は「終わらせ力」と呼んでいるのだが(笑)、プロジェクトを終わらせる能力というか、最後の追い込み・間に合わせる力は本当にすごい。これはたぶんものすごい努力をして出来るようになったと思うのだが、それを感じさせずに「あーやっときますよー」という軽い感じで終わらせていく。周りに負担をかけずにこっそりがんばっているめがねさんを裏側から見る機会はそれほどないと思うので、なかなか貴重な経験をしているとも言える。

一方で、できないことは本当にできない。忘れ物は本当にひどいし、ご飯を食べに行って帰ろうとすると、ほぼ必ず戻る方向と逆に歩き出す。それを「個性」ということもできるが、まあちょっとひどい(笑
ただ、めがねさんはそこを「隠さない」。できないところをどうにかがんばって普通レベルにすることはとうに諦めて(もちろんそんなことはないだろうけど(笑))いて、そこはツールを使ったり他の人でカバーするようにして『自分が得意なところに時間を割くように特化して』いる。めがねさんはことあるごとに「自分はちゃんとしてない」というが、それが本心だったとしても、それを補ってあまりある能力を正しく使えるほうがよほど重要なのではないだろうか。
自分になにができてなにができないのか冷静に判断して、「捨てるものは捨てる」判断ができているところが本当にすごい。

書いてて思ったけど、これ褒めてるんですけど伝わりますかね…?(笑

僕にとってめがねさんはひとつの「ロールモデル」ではあるけれど、とてもとても遠くて全く近づける気がしない。ただ、やはり目標とする人のひとりではあるし、こうなれたらいい、という人が身近にいるのは幸せなことだと思う。

セッション概要

ここからは、2日間のセッションそれぞれの「概要と僕の感想」をちょっとずつ書いていきたい。
僕はイベント中ずっと YouTube ライブ配信のコメントのチェック(と賑やかし)と登壇者さんとの連絡を担当していたので、裏側から見た僕視点での感想になるが、「どんなセッションだったのかな?」というあらましを知るのにも使えるかもしれない(使えないかもしれない)。

別に僕がスタッフをしていたから、というわけではなく、実際どのセッションも素晴らしいものだったので、どれを観ても「つまらない」なんていうことは絶対にないのでどうぞご安心を。

1日目・前夜祭

夫婦ともに同じ家ででリモートワークするときの工夫と、エンジニアとしてのこれまで(大曲 果純(みんかぴ))

mgn の同僚のかすみさんのセッション。もともとかすみさんが前職の会社に入社した頃から勉強会などで顔なじみだったしとてもデキる人なので、mgn に入ってくれてとても助かっている。
夫婦でリモートワークするときにどんな工夫をしているか、とか、なぜエンジニアになったか、またそんなかすみさんでも仕事が大変で一時休職したけれども「それでも仕事を嫌いになりたくない」と思った話やクライアントから「若いから」「女性だから」ということだけで軽く見られてしまったりという苦労もあった、ということだった。「ちゃんと根拠を示す」ことで信頼を得ることが大事だとのこと。しっかりしてるよ…。
全体のセッションの一番手ということで緊張したと思うのだが、まぁなんと落ち着いてること…(笑

I am learning cording and Designing(Cat van Minami)

mgn で全員の「英語の先生役」をしてくれている Cat van のセッション。めがねさんもがんばって全編英語で(笑
そもそも学生時代の先生の紹介で mgn で手伝いをしてくれるようになったこと、なぜプログラミングをしたいと思ったか、mgn でなにをしているか、大学での制作物について、など。
とても平易な英語を使って話してくれたので、英語がだいぶ怪しい僕でもだいたい理解することができた。日本語話者の中にいきなりひとりで入って不安だったと思うが、僕らに気を遣って接してくれている。とても頭の回転が速い、という印象。助かってます、先生!(笑

しっくり来る仕事と、そうでない仕事。迷ったとしてもどれも無駄ではなかったですよ(Asuka)

mgn のメンバーが続くが(笑)、続いてデザイナーの Asuka さんのセッション。
大学を卒業して製薬会社の営業職として働き始めてからの話、達成感や自分への適性・相性を求めて転職した話、その判断基準や現在に至るまでの話など。着実に自分の目標に向かって努力を積み重ねていく姿が印象的。
この記事のアイキャッチ画像にも使っているが、今回のイベントのデザインはすべて Asuka さんが担ってくれている。めがねさんのぼやっとしたコンセプトをメインイメージに落とし込んで作ったり、懇親会場の oVice の背景画像も直前までがんばって3種類も用意してくれた。改めて話を聞いたが、ぼんやりしたイメージから言語化して、それをデザインしていくデザイナーってすごいなと思った(小並感

経営者も悩むことがおおいので色々聴いてもらえると助かります。 (コスギサヤカ)

ストレングスコーチとして新たにカエルコムニス株式会社を設立したコスギサヤカさんのセッション。
「めがねさんの公開お悩み相談」的なセッションになっている(笑)うえに、ただ言いたいことを言ってるだけの不思議なセッションだけど本当に興味深い。「こちらであえて解決しない」「人に話している間に自分自身で解決策を見つける」というのが面白かった。なるほど!そうかも。
セッション中でも触れているが、mgn でも「産業カウンセラー」としてご協力いただいている。もともと WordPress のコミュニティで知り合ってから長い付き合いなので、僕に限らずめがねさんはじめみんなが全幅の信頼をおいている。聞いてもらえる安心感、大事。

法人として、自社Serviceで過ごしていくこと。請負との違い(石川 栄和)

WordPress テーマ「Lightning」で有名な株式会社ベクトルの社長 石川さんのセッション。
セッション中は「国産WordPressテーマの草分け的な存在」「テーマ制作と販売を仕事にすること」「請負との違いなど」「法人としてチームではたらくこと」などについてお話いただいた。普段伺えない独立時のことやテーマ販売開始時の話など面白い話が盛り沢山。「独立する人はまずプラグインなりテーマを公開するのがいい」は石川さんならではの重みがある発言。めがねさんと「経営者同士」の立場での会話も興味深い。
石川さんも WordPress コミュニティでわりと長いお付き合いで、ご覧のとおりの物腰柔らかな話しぶりなので「石川さんファン」もとても多い。今回お話を伺うまではそもそも石川さんも「転職組」だったことを知らなかった…。

未経験40代からのWeb制作者。仕事と生活の分別がないところ。(齋木 弘樹)

自分のセッションについては別途(笑

2日目・本編

早朝企画 : めがねさんとその両親によるセッション(めがねとその両親)

最初からだいぶ異色なセッション(笑
ご両親から「定年後の移住と地域への溶け込み方」について、お父さまから「昭和を駆け抜けた電算システム部社員の話」、お母さまからは「パッチワーク講師とコロナ後の生徒さんのモチベーションの変化」のお話をいただいた。
お父さまの「高度経済成長期の仕事」のお話はとても興味深かった。普段あまり接することのない世代の方のお話を伺う機会自体がないので、お父さまのお話はもちろん、お母さまのパッチワークキルト教室のお話もとてもおもしろかった。

朝食

これもみんなで見るセッションとしてはだいぶ異色な…(笑
朝の食レポが画面から流れてる不思議な時間、そして途中で画面が切れる放送事故まで(笑
この生中継っぽさ(本当に生中継なんだけど)がなかなか新しい。コメントにもあったけど「お正月番組」っぽさがまぁ面白いんだが、これ伝わっていたのだろうか…?とはいえあれこれやってみてダメだったら次回また考える、というのが「(通称)めがねフェス」のいいところかな、とは思うし、観る側が選択する自由はあるのでこれでいいのかな(笑

そして「開会の宣言」が吹っ飛んでいる失態(笑

フリーランスとしてクラウドソーシングから安定的に仕事を受注するまでのステップ(浜野 哲明)

フリーランスとして受託開発をメインでしていて、個人開発では WordPress のテーマやプラグインを開発している浜野さんのセッション。
トピックとしては「バンド活動と派遣と資格」「青森への移住とSIerでの仕事」「フリーランスへのきっかけ」「クラウドソーシングサービスの攻略法」。33歳ごろまではバンド活動がメインで、その後に Web 制作者として働き始めた転職組だったことももともと知らなかったし、その後のプラグイン開発などでの活躍ぶりの基礎になったのがSIerに転職したころに培った「わからないことはどんどん聞く、自分でもどんどん調べていくこと」というところがとてもおもしろかった。
SIer時代にも副業をしていたのでそのままフリーランスとして活動を始めたが、クラウドソーシングの活用方法として「価格勝負をせずにきちんと提案をしてクライアントさんに納得いただくような正攻法で行く」、というのがすごく納得感があるお話だった。ただ眺めているだけではちょっと思い至らない、「コロンブスのたまご」的な発想。これもきっと「自分でもどんどん調べていく」ことで気づいたことだろう。わかってたけど、すごい真面目(笑

Fortranなどをプログラミングをしていたところから、競技社交ダンス選手になり、WordPressと出会い、ダンスイベントの採点システムWebサービスを開発する事になるまで(Katsushi Kawamori)

WordPress のプラグインを60以上も開発している Kawamori さんのセッション。僕もありがたく使わせていただいている(笑
そもそも測量のお仕事をなさっているところからプログラミングをするようになり、趣味で始めた社交ダンスの講師業をしつつ、ホームページ作成を依頼されたことから WordPress に触れてプラグイン作成に至る、というめちゃくちゃドラスティックな転職のお話が聞けた。大学の技官をなさっていたころ、最初はタンスみたいな巨大なミニコンで一晩かけて計算していたデータが最終的に卓上のパソコンで2分くらいで出来るようになった、という話で大笑いした。技術の進歩すごい。
今回お話していただいている人たちはみなさんなかなか個性的な(?)経歴をお持ちだが、その中でもなかなか聞けないお話だったと思う(笑
Kawamori さんとは WordCamp などでちょっとご挨拶したくらいなので、またいずれかの機会にいろいろ詳しくお話をお聞きしたいと思った。

ナニモノなのかが不明瞭だった私が、不明瞭なままでもよいかもとおもった話(三瓶 亮)

UX MILK」を立ち上げたことで知られている三瓶さんのセッション。以前に DIST という勉強会で登壇いただいたときにご挨拶して以来だったかな…?そのときにはもうUX MILK」は超ビッグネームだったのですごく嬉しかったし、そのときの「ゲームをUXから解説するセッション」がめちゃくちゃ面白かったことを覚えている(僕はゲームやらないけど)。
「勉強会だけど椅子を取っ払って最初に乾杯して交流から始めた」はすごく面白い視点だしなんなら mgn 的に親近感を覚えるし(笑)、「自分は何者なのか」という事も含めて(傍から見ると)こともなげにものすごく深堀りしていけるところが本当にすごいと感じた。マーケター・ディレクター職を中心になさっていたところからいろいろ派生していって、「言葉で規定してしまうと可能性が減るから可能性は残したほうが面白いし新しいことができる」という流れから『なにものにもならなくていいじゃん』に至るまでがすごく興味深かったし、面白かった。
三瓶さんでも悩み続けるのか、ってあたりまえだけど安心した(笑

その他の仕事と同じようにWeb制作者の仕事も未来にはなくなるか(菱川 拓郎)

コンクリートファイブジャパン株式会社 の社長である菱川さんのセッション。もともと WordPress でのサイト開発やプラグイン開発もなさっていたので、やはり以前からのコミュニティ経由での知り合いでもある。
めがねさんと菱川さんは普段から 【 雑談配信 】 受託Web制作の現場より という配信をしていて、僕としてはいつも話を聞いてしまっているので新鮮味がなかったのが残念(笑
めがねさんが「感覚的」なのに対して菱川さんはとても「理論的」なので、その対比も面白いし視点が違うがゆえのやりとり(だいたいがめがねさんが聞いて菱川さんが答える、みたいな)がまあ面白い。
『「Web 制作者は作る技術がある人」というだけじゃないことをクライアントに伝えていかなきゃいけない』というのは確かにそうだ!とハッとさせられた。ふたりとも最前線で働いているので、その視点はとても貴重だし興味深かった。

高橋文樹のふみちゃんねるより。文学フリマの現場から生中継 プロジェクト・アウレリャーノの予約をみんなでしよう!(高橋文樹)

ここでは文学フリマ会場と中継をつないで生放送!!もういいかげん情報量多すぎるでしょ(笑
WordPress テーマ・プラグインの開発者でもある小説家の 株式会社破滅派 社長の高橋さんが2007年に新潮新人賞を受賞した「アウレリャーノがやってくる」を自費出版して文学フリマ会場で売っているところを中継。YouTube チャンネル では出版に至る経緯なども話しているので、併せて観てみることをおすすめ。

昼食

今度はお昼ごはんの生中継。このダダ漏れ感よ…(笑
最初に今回ご協力いただいた皆さまのご紹介から。会場をお借りした Case新宿 さま、食事の器・お箸とお盆は 土直漆器 さま(ただしめがねさんの私物)、おにぎりの具と鶏鍋のお味噌は 佐野味噌醤油株式会社 さま。めがねさんの食レポは次回までに練習してもらっておこう(笑
僕もいただいたのだが、鶏鍋はしっかり味はあるのにすごくあっさりしていていくらでも食べられそうだった。おにぎりの具のお味噌はごはんとすごくマッチしていて、こちらもあっという間に食べてしまった。午後の配信がないならそのままずっと食べていられたのに(笑

なにかしら生きてきた形がのこるとよい。舞踏会にでないことには、ガラスの靴も忘れられない。(齋藤 静香)

お昼ごはんあとのセッションは mgn 社員のしずかさんから。以前に mgn 主催で開催した mgn knowledge Git 勉強会 に参加してくださって、その縁で入社するというなかなか難度の高い方法で mgn に参加した(笑
ECサイトの運営の仕事を経ていったん引きこもり、唐突に外に出たくなって回復するという経験もしているとのこと。セッションで見るとおりとてもハキハキしていて明るく、ものすごく努力家で細かな気遣いもできる。「社内にいるだけだと社内のことしかわからないけど、他の会社はどうやっているんだろう」は僕もすごく思っていて、僕自身もそんなことがきっかけで mgn に入社したようなものだ。いまでも「他ではどうやっているんだろう」「もっといい方法があるんじゃないか」はあれこれ考えている。
「自分の世界の外にアクションを起こさないとなにも始まらない」はまさに至言で、僕もこれしかないと思っている。「ゴールを決めることが戦略」は僕は全然できないので羨ましい(笑

受託はやったほうがいい。なぜなら人間としてだめになるから(思ってたのと違う)。独自サービスの専業をしてみて。(北島 卓)

WordPress のテーマ Snow Monkey の作者であるキタジマさんのセッション。キタジマさんも WordPress コミュニティで以前から知ってはいるが、いま自分のプロダクト Snow Money で生計を立てていることについて詳しい話を聞いたことがなかったのでこれもとても興味深く聞いた。
もともと自分が欲しいからそのプロダクトを作り、その中のひとつがたまたま Snow Monkey で、それが一部外部の要因があったとはいえ市場に大きく受け入られた、というのが面白い。本人が狙っていたものは思ったほどは使われず、特別意識していなかったものが大きく売れるというのはわりとよく聞く話ではあるが、実際にもそういうものだというのはすごく説得力がある話だった。
「オープンソース的な形ならチームで仕事をしてもいい」という話もキタジマさんらしい発言でとても面白く聞いた。キタジマさんは「フリーランスになるとだらけてしまうからダメ」と言っていたけど、僕が仮にフリーランスになったらほんとになにもしなくなってすぐ干上がっちゃうんじゃないかな(笑

プチパラレルワーク(週4会社員、週1フリーランス)になりました。(中谷 智美)

別に内輪ウケというわけではないのだが、次も mgn 社員の中谷さんのセッション。中谷さんも以前から WordPress コミュニティで知り合いだったので、入社してくださってとても嬉しい。とはいえそんなに根掘り葉掘りあれこれこれまでのことなどを聞く機会もないので、このセッションもとても楽しく聞けた。
ちなみに、最近社内 Slack で徐々に中谷さんの趣味が炸裂しつつあり、それもまた楽しい。セッションの最初に戦隊モノの話から始まるのがカラーが出ててとてもよかった(笑
転職で規模が小さな会社へ移るのは珍しいという話から、「プチ」パラレルワークをどうこなしているのか、これまでやってなかった業務についてなど、これもあまり他にはない経験の話が聞けたと思う。「特に話すことなくても懇親会に参加していく」は僕も強く同意(笑

音楽→うどん→IT講師→フリーランスWeb制作 キャリアを変えることで、だんだんわかってきた私の好みと得意分野(本田 季之)

続いては高松在住のフリーランスの Web 制作者ほんださん。ほんださんも WordPress コミュニティ繋がりで、WordCamp 男木島や WPZoomUP などでご一緒させてもらっている。ほんださんもまあ独特な経歴の持ち主で(笑
セッションをご覧いただければわかるとおり、お話を聞いているととにかく次への切り替えが早く、「これ仕事にできるな」って思ったらパッと転職して、他業種へ転職してもわりとすぐその業種に慣れて仕事を始めている。そもそも覚えが早かったりもするのだろうが、転職を軽々としている感が強くて面白い。
またなによりほんださんのキャラクターがめちゃくちゃ面白い。退職したらまたすぐうどん屋さんに戻るとか面白すぎるでしょ(笑
しかも最後ギリギリ話が最後まで終わったタイミングでタイマーがぴったり鳴るとか、あんな狙ったってできないことをとぼけてばっちりやるのほんとずるいわ…。舞台裏で転げ回って大爆笑してた(笑

深堀り型だと言われるけれど自認は超ミーハー。何をやるかより誰とやるかが一番大切だと思います。(mimi)

休憩前最後のセッションはやはり WordPress コミュニティで活躍中の mimi さん。mimi さんは WordCamp Tokyo 2019 の実行委員長をなさっていて、そのとき僕が副委員長をしたという縁もある。
セッションの最初に出てくる『「そもそもそれ必要なんですか」言っちゃう問題』はクライアントワークをしている制作者には必ずつきまとう問題なのではないだろうか。クライアントのことを思えばこその発言だと思うのだが、それをクライアントに伝えるのがまた難しい…。それをドキュメントにして渡すことで伝えるようにしていると言うのはすごくわかる。
そして一次情報が最新なので結局そこを調べるのが早くて確実、というのも納得いく。「自分が何者かは相手によって変わる」というのは至言。求められていることによって自分の立ち位置が変わるというのはなるほど確かに、と思えた。やっぱすごい人は色々考えてるし、言葉の説得力が違うわ…。

会社員兼、フリーランス兼、主夫なデザイナーのワークルティーン(北村 崇)

休憩明けはデザイナーたあさんのセッションから。popIn株式会社のデザイナーであり、フリーランスとしても働いている。たあさんももともと WordPress コミュニティで活躍していて、たまたま僕が WordPress の勉強会に行くよりも前に知り合ったので、実はめがねさんよりもっと古いつきあいになる。最近は WordPress コミュニティでの活動は殆どないのであまり会える機会はないのだが、以前同様おつきあいいただいている。
最初の方に出てきた「オンラインイベントだから参加しにくい」という話はあちこちで聞かれる話で、「オンラインだから自由にならない」という環境もある、という話は興味深い。確かにオンラインだと場所や時間に縛られることが少ないが、その一方で「家の用事と時間が重なる」「ずっとそこにいられない」といった問題も内包していることは「オンラインイベントの主催者側」としては意識しないといけないポイント。
僕がデザイナー職ではない、ということもあるので業務内容については「ふーん」という感想なのだが(笑)、グラフィカルなデザイン作成から「設計の作成」「仕様の作成」に移ってきた、という話が興味深かった。その一環として操作方法からプロジェクトマネージャーと相談したり取説までデザインしているという話も面白い。

受託会社から、事業会社に転職した途端、コロナで売上が大変下がりました。(前川 昌幸)

次は岡山在住で株式会社オミカレに勤めている前川さんのセッション。前川さんとももともと勉強会で知り合って、主催する勉強会に登壇していただいたり大変お世話になっている。
以前は受託制作の会社に勤めていて、その後事業会社に転職したことは知っていたが、転職後はあまりゆっくりお話を伺う機会がなかったので興味深く聞けた。
話の中でどんどん僕の知らない過去(コミュニティFMで話してたとか)が出てきてめちゃくちゃ面白かった。もともと多才だなーとは思っていたがいろいろやっててすごい(笑
人と人が出会うマッチングサービスを提供する会社なので、COVID-19の影響はそれはそれは大きかっただろうと想像される。いわゆる「受託のWeb 制作」で言えばそれほど大きな影響はなかった(もちろんリモートワークに移行したとかはあるにせよ)ように感じているが、前川さんは「大山が大谷になる」とか笑いながら話していらしたが、実際はとても笑えない状況だっただろう。事業会社の難しさもすごく考えさせられるセッションだった。

あせらず、慌てないように、燃え尽きないように、なるべく先を見通しながら動く。(Masaya Hayashi)

クラウドベンダーにお勤めのはやしさん。はやしさんも積極的にコミュニティ活動に参加しており、WordPress コミュニティや WPZoomUP で大変お世話になっている。
謙遜なさって「僕は普通」とおっしゃっているが、なかなかどうしてはやしさんもいろいろな経歴をお持ちだ。キーワードは「インターネット」「オープンソース」とのことだが、「楽しそうだった」「お金の匂いがしない」というはやしさん独特の表現がとてもおもしろい。
動画を観ていただくと伝わると思うのだが、わりと穏やかに話されるのだが話している内容は鋭い観点からのもので、「勢いと計画性との割合とタイミング」のお話はとても興味深かった。いろいろなことをとても冷静に観察して自分の言葉で咀嚼しているんだな、という印象。
そのときに出てくる「人生でいちばん大事なのは重要だけれど急ぎじゃないタスクをきちんとこなすこと」というのはめちゃくちゃ深いと思った。僕は全然できていない…(笑

趣味と仕事の両立。USJとわたし(たかはし りな)

ここでまた(笑)mgn の社員のりなさんのセッション。りなさんは共通の知人からの紹介で mgn に入社して、mgn では「おやすみ番長」職である(笑)。詳しくは動画をご覧あれ。
「仕事とは趣味のためのお金を貯める手段」というとちょっと表現が極端だが、ちゃんとアピールしていくことで正しい方法で自分の権利を主張しているという至って正論しか話していない(笑)。実際に社内では「まあUSJなら仕方ないな(笑)」となるし、別に手を抜いているわけではないのでりなさんは全く問題なく休めている。僕は昭和の脳筋なのでいつもおやすみ番長に「休んでください!」と怒られる担当(笑
とにかく「自分の趣味が最優先」がすべての根幹にあって、聞いていていっそ清々しい(笑)。これだけだと「ただのわがまま」とも取られかねないが、これまで出てくれた他の mgn 社員同様りなさんもめちゃくちゃ仕事ができる。結果僕が一番仕事ができない(笑
これは「切り替え」ということにも関連してくると思うのだが、「仕事」と「自分の時間(生活)」とをきちんと分けてできることがとても素晴らしいと思う。動画のコメントが絶賛の嵐(笑)。今回の MVP はりなさんなんじゃなかろうか(笑

学生時代の海外サッカーゲームコミュニティーをきっかけにWebの仕事をつづけてきました。(Toru Miki)

タロスカイ株式会社のとおるさんのセッション。とおるさんも長く WordPress コミュニティで活動しており、以前からあれこれお世話になっている。
とおるさんがサッカー好きなのは知っていたが、今回のセッションを聞くまでそもそもサッカーゲームの Web コミュニティに参加したことがきっかけだった、という話は初耳だった。
面接の際に「ホームページは根性で作る」と言われた、という話はなかなかにすごい。今どきはそんなことはないだろうが、15年くらい前であればそんな事もあったろう。会社に泊まるのは当たり前とか寝袋完備とかはよく聞かれた話ではある。
WordPress を仕事として扱う以前から WordPress コミュニティに参加していた、という話も知らなかったので意外だった。前職である大学の Web マスターとしてインハウスでの業務を経験した後に受託制作の会社に転職した、という例もあまり聞かないのでとても興味深かった。(とおるさんの場合は「会社」ではないが)インハウスのエンジニアから受託制作へ転職しようと思ったきっかけがとおるさんらしいなーと思った(笑

常に80%の状態をフルとして考える。家族のことを考えてフリーランスを選択しました。(角田 一平)

大阪でフリーランスのエンジニアとして活動している一平さん。一平さんもやはり WordPress コミュニティで出会った一人。WPZoomUP でも一緒にスタッフをやっている。
一平さんのお話も全部面白いのだが、中でも「失敗と指が冷える現象」「8割のちからで働くこと」のインパクトがすごい。詳しい内容は是非動画をご覧いただきたいのだが、「失敗と指が冷える現象」は僕もエンジニアの端くれとして胃がきゅーっとする感じ。聞いているだけで胃が痛くなる(笑えない)。ものすごいプレッシャーがかかっていることがめちゃくちゃ伝わる。とても他人事じゃない…。
「8割のちからで働くこと」については上司の言葉によってよって救われたという部分と、それをもとにもっと高みを目指そうとする一平さんの意識がすごく印象に残った。
あんまり面白いので、残念ながらタイトルの『家族のことを考えてフリーランスを選択しました。』までは時間切れ(笑

過去の体験に影響されて、自分の頭を固くならないように柔軟性を保ちたい(額賀 順子)

長かったセッションのトリは男木島在住で私設図書館の館長をしつつフリーランスの Web デザイナーもしている順子さん。順子さんとももう知り合ってだいぶ経つ気がする。WordCamp をはじめ、WPZoomUP でも大変お世話になっている。ちなみに、以前順子さんべた褒めの記事を書いたことがある(笑
最初の「家を衝動買いした」から始まって「消費者金融の受付してた」というところとかインパクトが強すぎる(笑
色々バラバラなものが一つにつながる、という話はすごく納得感がある。このイベントをとおして、登壇してくださった皆さんそれぞれにいろいろな経歴があり、今に至ってその経験や別の活動が活きているというのは共通した認識だと思う。
「忘れやすさという個性について」も、そのボールを自分で持たずに周りに協力してもらうというのはすごくいい解決方法だろう。「やってくれる人を探すのは上手なのかも」は本当ににそうだと思う。
どの話も僕にとってすごく参考になったのだが、「柔軟性」から「理想をもたない」の話はどんな人でも参考にできる部分はあるのではないだろうか。

補足 〜言わずにおれるか〜

最後に少しだけ自分のセッションの補足を。

ご覧くださった皆さま、ありがとうございます。動画にもめっちゃコメントいただけてものすごく嬉しいです。
動画のコメントや懇親会で、僕の55年の人生でたぶん一番「かっこいい」と言っていただいた(笑

動画を見直したのだが、ものすごく早口ですね僕…。自分でそう思ったことはなかったのだが今後気をつけようと思う。これは LT やりすぎの影響なのでは(違
あと視線が完全に画面を見ててカメラを見てない(笑

で、どうしても言っておきたい補足なのだが…。

「かっこいい」と言われ慣れていないせいなのかどうか(笑)、「かっこいい」と言われることにちょっと違和感があって、そもそも僕は自分で自分がかっこいいと思ったことはないのです。もちろん「かっこよくありたい」とは常々思うけれども、そもそも見た目はこんなちびのちんちくりんだし、言われたこともない。

もし「かっこよく見えた」のだとしたら、それは僕がそのとき「本当の崖っぷちにいた」からだと思う。
バイク屋を退職して無職になったときは

  • 他にできる仕事なし
  • 貯金なし・財産なし(そこそこ多額の借金あり)
  • 子供は産まれて4ヶ月
  • 生活費は奥さんの以前の仕事での貯蓄を切り崩す

という状況で、冗談でなく一家3人が路頭に迷う状況だった。

とはいえこのまま餓死するわけにはいかないので、その時は本当に必死だった。手札にはろくなものがなく、おまけにすぐ使えるものはないような状況。ハローワークで仕事を探すにしても、実際バイク屋の作業員以外ですぐにできる仕事もない。当時で既に43〜44歳だったので、面接に行っても毎回当然のように帰ってくるお祈りメール。本当に「お先真っ暗」とはこのことだ。

ただ、これは僕の性格的なところもあるのだが、「それでもまあなんとかなるだろ」という楽観的なところはあった。最悪どうにもならなかったら肉体労働に戻ればいいだけ、という「最終奥義(笑)」があったから。
確かに腰を痛めてはいたが、この頃には無理をしなければ全然普通に生活できるくらいにはなっていたので、トラックの運ちゃんでも工事現場でも、べつになんでもできるという変な自信だけはあった。

ちょっと内輪ネタになってしまうが、実は社内 LT で『最終奥義は「使わない」から最終奥義なんで、使った時点で負け』という話をしたことがある(笑)。たまたま学生時代に読んだ本にそう書いてあっただけなのだが、それはここでも忠実に守ったことになる(笑

それはさておき、Web を仕事にしようと考えてあちこち勉強会に「手当たりしだいつっこんでいった」という話もしたが、これも別になにもかっこいい話ではなくて「それしかできなかったから」に過ぎない。肉体労働しかしてこなくて脳筋だった自分には選択肢なんかなかったので、ほかの方法が思いつかなかっただけだ。

だから、これはどなたにでも気軽におすすめできる方法ではないと思っている。僕はたまたま長いこと肉体労働に従事していたおかげなのか、どうやら基礎体力がひとよりもあるっぽい。だから毎週末勉強会に行ったりスタッフしたりしても大丈夫だったのでは?(笑
とはいえいくら足繁く勉強会に通ったとしてもただその場にいるだけではいつまで経ってもなにも得られないので、そこでなにか手に入れようと必死に食らいついていた、というつもりではいる。それは単に技術的なことだけではなくて、「人とのつながり」を得るところも大きかった。知り合いが全くいないところで頼れるのは、そこにいるたくさんの先輩たちしかいないから。

これも余談だが、今回のイベントが終わって帰りのクルマの中でめがねさんと話しながら思い出したことがあって、それはバイク屋の退職時に「もう僕は一生分遊んじゃったな」と思ったこと。バイク屋はもちろん仕事だから厳しかったし嫌なこととかもあったが、それでもやっぱり趣味の延長線上にあったことは間違いない。そんなところに17年もいたのだから、17年間遊んでいたようなものだった。本当に毎日嬉しかったし面白かった。何時間働いてもやりたいことだったから疲れなんか感じなかった。毎日必死だったけど充実していた。だから僕はもう一生分の遊びの時間はとっくに使い果たしてしまったので、この後はひたすら働こうと思ったことを覚えている。
実際、最近ようやくちょっとだけ自分の趣味が復活したりもしているが、ここ10年自分の趣味にお金を使ったことがなかった(そもそも余剰のお金がまったくなかったという事情もあるが)。それくらい「もう後がない」という決意はあったと思うし、いまでもそのつもりでやっている。

とにかく、「それしか選択肢がなかった」ことに尽きる。かっこなんて気にしてるヒマはなかった。
与えられた環境があるならそのなかで最大限自分のできることをやって、足りないところは努力して、できないことは正直にできないと言う、それくらいしか僕にできることはなかった。いまでもできることがあまり変わってないけど(笑

今回参加してくださった方で僕を知ってくださっている人たちは皆そんな僕の哀れな姿を見て手を差し伸べてくれた人たちばかりで、でもそれは僕が限界までやっているところを見ていてくれていて、意図せずだったかもだけど僕もちゃんと「その人たちと同じ方向を向いていた」ことが伝わったからだと思うので、かっこいいのは僕ではなくてそんな僕に手を差し伸べてくれたたくさんの人たちだと思っている。

サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

弊社社屋の床の間に飾ってある掛け軸

おまけ

セッション中に話題に出ためがねさんとの Twitter での動画はこちら。見返してみたらなかなかいいこと言ってる(笑