この記事ははたらくLENSからの転載です。
こんにちは。mgn の齋木です。
はたらくLENS
mgn では「はたらくLENS」と銘打って自分たちの「働き方」を積極的に公開していくことにした。(なるべく)全員がそれぞれの立場で考える「働き方」について記事にしていこう、という趣旨だ。
会社として目指す目的はひとつだったとしても、社員それぞれで考え方は違うし、得意なこと・苦手なことは違って当然だ。 会社組織としてはそれらを持ち寄ってひとつの目標に向かっていくのだけれど、その中でも各個人が「どう考えているか」「どう解決しているか」「どう立ち向かっているか」を知る機会はそれほどない。
まず僕自身が他の社員がどう考えているか、課題にどう立ち向かっているのかを興味を持って読みたいと思っていることを先に言っておく。
リモートワーク下におけるおっさんの居心地の悪さ
さて、僕自身についてなにか「働き方」について書いてと言われたものの、思いつくことがない。 僕はそもそも昭和どっぷりのおっさんなので、いわゆる「古い働き方」が身体に染み付いてしまっている。スタバでパソコンを開いても全く落ち着かず仕事なんかできないし、仕事が終わったら飲みに行きたい。
そんなおっさんの働き方が参考になるとはとても思えないのだが、将来この記事の読者がおっさんになったときに何かしらの役に立つことを書ければ幸いだ。 きっと役に立つことなんか書けないので、過度な期待は禁物だ。
mgn とリモートワーク
mgn はコロナ禍に入る前から「リモートワーク」だった。 というのも、そもそもウェブの仕事はパソコンとネットワーク、電源さえあれば別にどこでもできるからだ。わざわざ朝のラッシュの中汗だくになって出社する必要もないし、朝の忙しいときにいちいち身支度に時間を割かれることもない。朝や夜の貴重な時間を通勤という無駄な時間に奪われることがないからだ。
とはいえ、完全にテキストだけでのコミュニケーションでは不足することもあるし、話せばすぐ済むことも、テキストでのやり取りだと入力に時間を取られる面も否定できない。テキストだけだと言葉が足りなくて、へんに誤解を生んでしまうこともありそうだ。
なので、mgn では以前は Zoom を、いまは Gather を使って「出社」している。カメラがオンになっていればいまの表情もわかるし、オフだったとしても声はかけやすい。 必要なメンバーでミーティングをするのも手軽だし、集中したいときは別のエリアへ移動すればいい。
そこで問題になるのは、「おっさんの実体は今どこにいるのか」だ。
リモートワーク下での「社屋」の意味
これは僕の完全に個人的な事情なのだが、僕は家にいたくない。
いや、家にいたくないんじゃなくて、家に居場所がない。
なんか誤解を招きそうな書き方だが、端的に説明するいい言葉が思い浮かばない。 僕がいま住んでいるアパートは狭いので、なにか仕事をする場合はキッチンのテーブルを使うことになる。そしてその場所は僕の中学2年の娘の勉強場所とコンフリクトするのだ。
さっさと引っ越しをすればいいと言われればそれまでなのだが、諸事情によってまだ当分の間は今いるアパートに住むことになりそうだ。となると当分コンフリクトが発生し続けることになる。 それをどうにか回避したい。
何処かのカフェで仕事をするのは落ち着かないのでやりたくない。コワーキングスペースを使うことも検討できるが、そこが気に入るかどうかは状況による。スペース自体が、というよりはそこを利用しているユーザーによる、といったほうが正しいかもしれない。 それを解決する一つの方法がある。
会社の社屋に「出社する」方法だ。
出社するデメリットとメリット
前述したように、出社には様々なデメリットが存在する。なんなら社屋を借りているのであればその家賃も発生する。 いまどきは会社の登記もできるコワーキングスペースだって存在するし、「社屋がなければいけない理由」はほとんどないと言っていいかもしれない。
それでも「社屋に出社したい」と思うのは、たぶん僕が「切り替えたい」というのが最も大きな理由のように思っている。
会社にいるときは仕事をする、家に帰ったらプライベート、というのは昭和であれば一般的なスタイルだ。ところが、リモートワークとなるとそうは行かない。自分で働くエリア・働くタイミングを決めて、自分で仕事とプライベートを上手に使い分けていかなくてはならない。 たぶん、僕はそれができない。
きっと家にいたらずっと仕事をせずに遊んでしまう。自分の好きな本を読んだり、思いつきで家のことをやったりして、結局一日経っても仕事がなにも進んでいない、ということになりそうだ。というかきっとなる。 なので、家ではできることなら仕事はしたくない、というのが正直な感想だ。
社屋があるメリット
「社屋」というと大げさだが、いわゆる「事務所」だ。 「社屋」なんてどんだけデカい建屋なんだと思われそうだが、mgn の事務所は西新宿の小さな一軒家だ。1階に一部屋、2階に一部屋しかないといえばだいたいどれだけ小さいか想像がつくだろう。しかも築40〜50年は経っていそうな年季の入った建物だ。
そもそもこの事務所を借りたときに、最初の印象は「古くておばあちゃん家みたい」ということだった。せっかく古い建物なので調度品なども昭和っぽいものを揃えようと考えたが、そうやって遊べるのは mgn だから、という面も多いにある。
mgn では各メンバーのパソコンやモニター、椅子など仕事に使うものに関しては会社から支給される。あまりに極端でなければ、各メンバーが自分の好みに合わせて購入するものを自由に選べる。 それは僕も同様なのだが、僕の場合はそれが自宅ではなく事務所だ、というだけだ。 僕の場合はそれが高じて事務所がまるで自分の部屋のようになってしまっているが。
いざなにかで「社員で集まりたい」となったときに事務所があれば確かに便利だ。届いた郵便物もすぐ確認できるし、打ち合わせ場所にも困らない。 誰かが来たら屋上でアイスを食べることもできる。
誰かの好都合は誰かの不都合
mgn はまだたかだか10人ほどの小さな会社だ。社長から社員まで、全員がクライアントの目的を達するために毎日努力している。 それでも全員が全く同じ考えを持っているわけではない。
ひとつには個性と言えるものかもしれないが、当然ながらそれだけではない。考え方や受け取り方、これまでの経験も千差万別だ。それらを捻じ曲げてひとつにしようとするのではなく、「そういうものだよね」と認めて、そのうえで「ではチームとしてどうするのが最善なのか」を考えていくのが mgn のスタイルだ。
事象や人をコントロールしようと思うとき、簡単なのは「縛る」ことだ。あれはダメ、こうしろと決めていくことで物事はスムーズに進むようになる(ところもある)。 各自の「あれがいい」「これがいい」という要望を全部聞いていたらまとまるものもまとまらないし、そもそも余計に時間もお金もかかるだろう。
それでも mgn はそれを全員で選んだ。これが簡単ではないことは明白だが、それに挑戦しようとしている。その結果がいつ、どう出るかは分からないが、僕ら全員が「これを選んだからいい結果が得られた」と言えるために日々努力している。
そう、僕は会社に出勤したいんだ。